年金の受取額の目安を計算(令和8年度版)
国民年金を何か月払ったか、会社員として何年働いたか。この2つで、老後の年金のだいたいの額が出せるのだ。
年金は「2階建て」でできている
日本の公的年金は、1階の国民年金(老齢基礎年金)と、2階の厚生年金(老齢厚生年金)の2つでできています。
- 1階:国民年金…20歳から60歳までの40年間(480か月)、全部納めると満額。令和8年度の満額は月70,608円(1956年4月2日以降生まれの人)。納めた月数が少ないと、その割合だけ減ります。
- 2階:厚生年金…会社員や公務員だった人だけに上乗せされます。働いた期間が長いほど、給料(ボーナス込み)が多いほど増えます。
厚生年金の部分は、ざっくり言うと「平均の月給 × 0.5481% × 働いた月数」です。たとえば平均月給30万円で40年働くと、30万円 × 0.005481 × 480か月 = 約79万円(年額)になります。
計算例
国民年金を40年(480か月)納めた場合:70,608円 × 12か月 = 年847,296円(月約7.1万円)。
30年(360か月)だけの場合は 847,296円 × 360/480 = 年635,472円(月約5.3万円)です。
- 国民年金:満額で 年847,296円
- 厚生年金:500万円 ÷ 12 × 0.005481 × 480か月 = 年1,096,200円
- 合計:年1,943,496円(月約16.2万円)
同じ人が70歳まで受け取りを遅らせる(繰下げ)と、60か月 × 0.7% = 42%増えて 年2,759,764円(月約23万円)。逆に60歳から受け取る(繰上げ)と24%減って、一生その額のままです。
よくある質問
ねんきん定期便の金額と違うのはなぜ?
ねんきん定期便は、あなたの実際の加入記録(毎月の標準報酬月額や賞与、2003年3月以前の期間など)から計算しています。このツールは「平均年収」1つで計算するので、ずれが出ます。正確な額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認してください。50歳以上の人の定期便には、60歳まで今の条件で続けた場合の見込み額が載っています。
手取りはいくらになる?
年金からも、所得税・住民税(年金が一定額を超える場合)、国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)、介護保険料が引かれます。住んでいる市区町村や年金額によって違いますが、額面の1〜2割ほどが引かれると考えておくと安全です。このツールは額面(税金・保険料を引く前)の金額を出しています。
専業主婦(夫)の期間はどうなる?
会社員の配偶者に扶養されていた期間(第3号被保険者)は、保険料を払っていなくても国民年金を「納めた期間」として数えます。なので「国民年金を納めた年数」に含めてください。厚生年金は増えません。
繰下げと繰上げ、どちらが得?
65歳から受け取る場合と比べて、70歳に繰り下げた人は、だいたい81〜82歳より長生きすると受け取る総額が多くなります(額面での単純計算)。ただし年金が増えると税金や保険料も増えるので、手取りでは損益分岐がもう少し後ろになります。繰上げは減額が一生続き、障害年金が受け取れなくなる場合もあるので慎重に。
年金額は毎年変わるの?
変わります。物価や賃金の動きに合わせて毎年4月分から改定されます。令和8年度は国民年金が前年度から1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の引き上げでした。ただ、物価の上がり方(3.2%)よりは小さいので、実質的には少し目減りしています。
- 国民年金の満額は令和8年度の月70,608円(1956年4月2日以降生まれ。それより前の生まれの人は70,408円)。納付月数に比例して計算し、免除期間・付加年金・加給年金・振替加算は考えていません。
- 厚生年金は2003年4月以降のルール(平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数)だけで計算しています。2003年3月以前の期間は本来、別の式(7.125/1000)で計算され、過去の給料は「再評価率」で今の価値に直されます。このツールは入力した平均年収をそのまま使うので、実際の額とずれます。
- 標準報酬月額の上限(65万円)を考えて、平均年収は780万円までとして計算します。ボーナスが多い人は実際より少なめに出ることがあります。
- 繰上げは1か月0.4%減(1962年4月2日以降生まれ。それ以前の生まれは0.5%)、繰下げは1か月0.7%増(最大75歳・84%増)。国民年金と厚生年金を両方同じ年齢で受け取る前提です。
- 働きながら受け取る場合の在職老齢年金(令和8年度は基準額65万円)、税金・社会保険料は計算していません。
この計算結果は概算であり、実際の年金額を保証するものではありません。正確な見込み額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」「ねんきんネット」や、年金事務所でご確認ください。出典:厚生労働省「令和8年度の年金額改定」、日本年金機構「報酬比例部分」「繰上げ・繰下げ受給」。