住民税が1年遅れなのはなぜ?

社会人2年目の6月、給料は上がったのに手取りが減った…。その犯人は住民税なのだ。「1年遅れ」のしくみと、困りやすい場面をまとめたのだ。

この記事の内容
  1. 住民税は「去年の所得」にかかる
  2. なぜ1年遅れなの?
  3. 1年遅れで困る4つの場面
  4. 住民税の金額はどう決まる?

住民税は「去年の所得」にかかる

所得税は、その年の給料から毎月引かれ、12月の年末調整で精算します。つまり「今年の所得に、今年払う」税金です。

一方の住民税は、前の年(1月〜12月)の所得をもとに計算され、その年の6月から翌年5月までの12回に分けて払います。2026年に稼いだお金にかかる住民税は、2027年6月から2028年5月にかけて払うことになります。

所得のあった年住民税を払う時期
2025年1〜12月2026年6月〜2027年5月(令和8年度分)
2026年1〜12月2027年6月〜2028年5月(令和9年度分)

なぜ1年遅れなの?

住民税は、市区町村が一人ひとりの税額を計算して通知する仕組み(賦課課税)です。そのためには、まず去年1年分の所得が確定しないといけません。

流れはこうです。1月に会社が「給与支払報告書」を市区町村に送り、3月15日ごろまでに確定申告が終わります。市区町村はそれらを集めて税額を計算し、5月ごろに会社経由で「住民税決定通知書」を届けます。そして6月から天引きが始まります。所得が確定してから計算するので、どうしても1年遅れになるのです。

ちなみに、住民税は1月1日に住んでいた市区町村に払います。年の途中で引っ越しても、その年度の住民税は1月1日の住所地に払い続けます。

1年遅れで困る4つの場面

① 社会人2年目の6月

1年目は前の年に所得がない(学生だった)ので、住民税はゼロ。2年目の6月から、1年目の給料にかかる住民税が始まります。たとえば1年目の年収が300万円なら、住民税は年11万円ほど、月9,000円以上手取りが減ります。昇給しても手取りが減ったように感じるのはこのためです。

② 退職した後

会社を辞めて収入がなくなっても、去年の所得にかかる住民税は払わなければなりません。退職した時期によって、こうなります。

退職後の生活費を考えるときは、住民税の分も残しておきましょう。年収500万円なら年24万円ほどになります。

③ 育休・休職中

育児休業給付金には税金がかかりませんが、去年の所得にかかる住民税は、育休中もかかります。給料が出ないので天引きできず、自分で払うか、会社に立て替えてもらうなどの対応になります。育休に入る前に、会社に払い方を確認しておくと安心です。

④ 収入が大きく下がった年

転職や病気で収入が下がっても、住民税は去年の高い所得をもとにかかります。どうしても払えないときは、市区町村の窓口に相談すると、分割払い(分納)などに応じてもらえることがあります。放っておくと延滞金がつくので、早めの相談が大切です。

住民税の金額はどう決まる?

住民税は2つの部分でできています。

2026年の税制改正で、所得税の基礎控除は増えましたが、住民税の基礎控除は43万円のままです。ただし給与所得控除の最低額が74万円に上がったので、給料が少ない人の住民税は少し下がります。住民税がかかり始める年収も、約110万円から約119万円(2027年度分から)になりました。

自分の手取りの中で住民税がいくらになるかは、手取り計算ツールで確認できます。ふるさと納税は住民税が安くなる仕組みなので、効果が出るのも翌年の6月からです。

この記事は一般的な解説です。税率・均等割は自治体によって異なる場合があります。正確な金額はお住まいの市区町村の住民税決定通知書でご確認ください。出典:総務省「個人住民税」、財務省「令和8年度税制改正の大綱」、各自治体の案内。