年収の壁チェッカー(2026年版)
パートで働く人と、その配偶者向け。2026年(令和8年)の年収で、どの「壁」を超えるのかをチェックするのだ。
- 所得税の壁:160万円(2025年分)→ 178万円(2026・2027年分)。2028年分以後は168万円の予定。
- 社会保険の「106万円の壁」(月額8.8万円の賃金要件)は2026年10月1日に撤廃。今後は「週20時間」が基準です。
- 扶養(130万円)の判定は、2026年4月から労働契約(労働条件通知書)の賃金で見込む取扱いに。
- 所得税の改正(令和8年度税制改正)は2026年12月1日施行で、2026年の年末調整で反映される見込みです。
2026年の年収の壁一覧
金額は給与収入のみの場合の目安です。()内は2025年分の金額。
| 壁 | だれに | 何が変わる? |
|---|---|---|
| 119万円(110万円) | 本人 | 住民税がかかり始める(所得割は全国共通。均等割の基準は自治体により低い場合あり)。2026年の収入にかかる住民税は2027年6月から。自治体差あり |
| 週20時間(旧106万円) | 本人 | 従業員51人以上の企業で週20時間以上・2か月超の見込み・学生でない場合、勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入。年収要件(月8.8万円)は2026年10月1日に撤廃。 |
| 130万円(同じ) | 本人 | 配偶者の社会保険の扶養から外れ、自分で国民健康保険・国民年金、または勤務先の社会保険に加入。19〜22歳(配偶者を除く)は150万円、60歳以上・障害者は180万円。年収「未満」が条件。 |
| 136万円(123万円) | 配偶者 | 配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わる。ただし所得税の控除額は38万円のままなので、実質的な負担増はなし。 |
| 169万円(160万円) | 配偶者 | 配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられなくなり、段階的に減る。 |
| 178万円(160万円) | 本人 | 本人に所得税がかかり始める(給与所得控除74万円+基礎控除104万円)。2026・2027年分の時限措置で、2028年分以後は168万円の予定。 |
| 207万円(約201万円) | 配偶者 | 配偶者特別控除がゼロになる。 |
配偶者特別控除の控除額(所得税・2026年分)
配偶者(扶養する側)の合計所得900万円以下の場合。住民税の控除額は最大33万円で、段階的に減ります(金額は自治体の案内で確認してください)。
| パート本人の年収(給与のみ) | 配偶者の所得税の控除額 |
|---|---|
| 136万円以下(配偶者控除) | 38万円 |
| 136万円超〜169万円以下 | 38万円 |
| 169万円超〜174万円以下 | 36万円 |
| 174万円超〜179万円以下 | 31万円 |
| 179万円超〜184万円以下 | 26万円 |
| 184万円超〜189万円以下 | 21万円 |
| 189万円超〜194万円以下 | 16万円 |
| 194万円超〜199万円以下 | 11万円 |
| 199万円超〜204万円以下 | 6万円 |
| 204万円超〜207万円以下 | 3万円 |
| 207万円超 | 0円 |
参考:19〜22歳の子のアルバイト(親の所得税)
子の年収136万円以下なら親は特定扶養控除63万円。136万円超〜159万円以下は「特定親族特別控除」で同じく63万円、159万円を超えると段階的に減り、197万円を超えるとゼロになります(2026年分)。
くわしい解説:大学生の子のバイト代、年収いくらまでなら親の控除が減らない?(2026年分)(ブログ「ずんだ解説局」)
- 住民税の119万円は、給与所得控除の最低保障額74万円(令和9・10年度分の住民税の特例)+非課税限度額45万円で計算した目安です。均等割の非課税基準は自治体(1級地〜3級地)で異なり、2級地・3級地ではもっと低い年収でかかることがあります。
- 住民税の配偶者控除・配偶者特別控除の詳しい金額表(令和9年度分)は、お住まいの自治体の案内で確認してください。
- 社会保険の企業規模要件は段階的に縮小予定:2027年10月〜36人以上、以降2035年10月までに段階的に撤廃(厚生労働省)。
- 新たに社会保険に加入する短時間労働者には、2026年10月から事業主が保険料の一部を肩代わりできる「保険料調整制度」(通算3年間)があります。使うかどうかは勤務先次第です。
- 130万円の判定は、労働契約で見込まれる年収で行う取扱い(2026年4月〜)。残業代など契約にない臨時収入の扱い、一時的な収入増の事業主証明の扱いなど細部は、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合)に確認してください。健保組合によっては独自の運用があります。
- 配偶者の勤務先の家族手当(扶養手当)の条件は会社ごとに違い、ここでは判定していません。
- 2026年の税制改正は2026年12月1日施行のため、年の途中の源泉徴収額は旧ルールのままの場合があります(年末調整で精算)。
判定例
住民税の119万円をわずかに超え、住民税は年6,500円ほど(翌年6月から)。所得税はゼロ。社会保険は週20時間未満なので加入せず、130万円未満なので扶養のままです。配偶者は配偶者控除38万円を受けられます。
178万円の壁を1万円超えましたが、所得税は年500円です。配偶者の配偶者特別控除は31万円に減ります。税金の壁は、超えても負担はゆるやかに増えるだけです。
勤務先の社会保険に加入します(2026年10月から年収に関係なく)。130万円以上ですが、勤務先の社会保険に入るので、国民健康保険に入る必要はありません。税金の面では、配偶者は引き続き38万円の控除を受けられます。
よくある質問
一番気をつけるべき壁は?
手取りが大きく減るのは社会保険の壁(週20時間と130万円)です。税金の壁は超えた分にしか税金がかからないので、そこまで気にしなくて大丈夫です。くわしくは年収の壁まとめ2026で解説しています。
年収は1〜12月の合計?
税金の壁(119万・136万・178万円など)は1〜12月の合計です。社会保険の扶養(130万円)は、これから1年間の見込み(2026年4月からは労働契約の内容で判断)です。数え方が違うので注意してください。
交通費は含める?
税金の壁では、非課税の通勤手当は含めません。社会保険の扶養の130万円では含めます。
このチェック結果は概算・目安であり、個別の税務・社会保険の助言ではありません。扶養や社会保険の加入可否は、勤務先・配偶者の勤務先・加入している健康保険・お住まいの市区町村の判断が優先します。