物価上昇で貯金はどれだけ目減りする?
銀行に置いたままの100万円。金額は減らなくても、物価が上がると「買えるもの」が減っていくのだ。その目減りを計算するのだ。
「お金の価値が減る」ってどういうこと?
たとえば、今100円のおにぎりが、物価が毎年2%ずつ上がると、20年後には約149円になります。財布の100円は100円のままですが、おにぎりはもう買えません。これが「お金の価値が目減りする」ということです。
計算式は次のとおりです。
お金の増え方(金利)が物価上昇率と同じなら、価値は変わりません。物価上昇率より低いと、少しずつ目減りします。預金の金利が物価上昇率より低い時期が長く続くと、「何もしないこと」も実はリスクになります。
日本では2022年ごろから物価がはっきり上がり始めました。年金額の改定に使われた2025年の物価変動率は3.2%(厚生労働省「令和8年度の年金額改定」)でした。一方、日本銀行は「物価が安定して年2%上がる」状態を目標にしています。
計算例
100万円 ÷ 1.0220 = 100万円 ÷ 1.4859 = 約67.3万円。今の価値で約33万円分が消えてしまう計算です。20年後に今と同じものを買うには、約148.6万円が必要です。
100万円 ÷ 1.0310 = 約74.4万円。物価上昇率が1%違うだけで、目減りのスピードはかなり変わります。
お金も年2%増えれば、20年後の実質的な価値は100万円のまま。インフレに負けないためには、「物価上昇率と同じくらい増やす」ことが目安になります。
よくある質問
じゃあ預金は全部投資に回すべき?
そうとは限りません。投資は元本割れすることがあり、急な出費のためのお金(生活費の3〜6か月分など)は預金に置いておくのが一般的です。「すぐ使うお金は預金、10年以上使わないお金の一部は長期の積立投資」のように、目的で分けて考えると決めやすくなります。
年金は物価に合わせて増えるの?
公的年金は毎年、物価や賃金に合わせて改定されます。ただし「マクロ経済スライド」という仕組みで、物価ほどは増えないことが多いです。令和8年度は物価3.2%に対し、国民年金は1.9%の引き上げでした。年金の受取額の目安も見てみてください。
物価が下がる(デフレ)ときは?
物価上昇率にマイナスを入れると、現金の価値が上がる計算になります。日本は1990年代後半から2010年代にかけて、物価がほとんど上がらない、または少し下がる時期が長く続きました。
「72の法則」って何?
72 ÷ 年率で、お金(や物価)が2倍になるおよその年数が分かる法則です。物価上昇率2%なら72 ÷ 2 = 36年で物価が2倍、つまりお金の価値は半分になります。3%なら24年です。
- 物価上昇率と運用利回りは、毎年一定と仮定した単純な計算です。実際の物価は年ごとに大きく変わります。
- 運用益にかかる税金(約20.315%、NISAなら非課税)、手数料は考えていません。
この計算結果は一定の率を仮定した概算であり、将来の物価や運用成果を予測・保証するものではありません。特定の金融商品をすすめるものではありません。